近視性脈絡膜新生血管にVEGF Trap-Eye、日本でも臨床試験 

近視性脈絡膜新生血管を対象にしたVEGF Trap-Eyeの臨床試験が
既に日本で開始されたそうです。
VEGF Trap-Eyeの開発プログラムをアジアで拡大(バイエル薬品)

VEGF Trap-Eyeは滲出型の加齢黄斑変性に対する試験結果も良好で、
滲出型の加齢黄斑変性の標準薬「ルセンティス」に劣らない効果が
見られたそうです。
ルセンティスは毎月の投与、VEGF Trap-Eyeは隔月の投与での比較なので
VEGF Trap-Eyeの方が投与間隔が長いのですね。

VEGF Trap-Eyeは滲出型の加齢黄斑変性の治療薬として
ヨーロッパと米国で今年製造販売承認を申請する予定で、
網膜中心静脈閉塞症、糖尿病黄斑浮腫を対象にした臨床試験の準備も
進めているとのことです。

今回のVEGF Trap-Eyeの試験は、近視性脈絡膜新生血管を
対象にしていることに注目しました。

新生血管に対してはルセンティスが効果を上げていますが
現在保険がきくのは確か加齢性黄斑変性だけ。

今回の試験で安全性や効果が確認され、承認ということになれば、
保険で近視性脈絡膜新生血管に使える薬がやっとできるのではないでしょうか。

バイエル薬品のプレスリリースには近視性脈絡膜新生血管について次のような
記載があります。

近視性脈絡膜新生血管というのは、高度近視の合併性で、
網膜下で変性が起きた結果、新生血管ができ、血液や血漿が網膜に
滲み出して視力が下がっていく病気です。

近視性脈絡膜新生血管になるのは、通常より眼球が長いため
網膜に負担がかかるのが理由とされています。

近視は、日本を含むアジア諸国で最も一般的な眼疾患で、
成人の約40%が近視で、高度近視はそのうち10%程度。
高度近視は東アジアで特に多く、日本では失明原因の第2位!!
 ↑
この文章、かなりショックです。
私は近視性黄斑変性なんですけど、将来失明するんでしょうか?

かかりつけの眼科医は「近視の人はそんなにひどいことにはならない」と
言っていたのですが…。

まだ人生半分以上あるので、少しづつ黄斑が痛んで見えなくなっていくと
最終的にどうなるのか考えると不安になります。
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アバスチンVSルセンティス 比較試験の結果 

以前、アバスチン(ベバシズマブ)とルセンティス(ラニビズマブ)の比較試験が
行われるという記事を書きました。

【過去記事】アバスチンとルセンティスの比較試験

CATT Studyと呼ばれるこの試験は、アメリカの国立眼病研究所(NEI)が実施する
大規模試験で、1107人の加齢黄斑変性症の患者にルセンティスかアバスチン
いずれかを2年間投与して有効性と安全性を評価するものでした。

この試験の結果が既に出ていたのを発見しました。

発表は2012年5月14日のノバルティスファーマ社のプレスリリースです。

「ルセンティス」との比較によるCATT試験で、滲出型加齢黄斑変性に対して未承認のベバシズマブ硝子体内注射に伴う重大な安全性上の懸念が明確化

この発表によると、安全性でも効果でもルセンティスの方に軍配があがったようです。


安全性について


2年間の試験データによると、滲出型加齢黄斑変性に対して、アバスチンは
ルセンティスとくらべて重篤な全身性有害事象全般のリスクが30%高いという結果でした。

動脈血栓性事象、全身性出血、うっ血性心不全、静脈血栓性事象、高血圧、
血管死などの発生頻度がアバスチンの方がルセンティスより高かった。

また、胃腸障害が起こる頻度も、アバスチンを使った患者の方が多かったそうです。


効果について


評価結果は、アバスチン硝子体内注射に比べて、ルセンティスの方が
優れている傾向が認められました。

試験開始から2年経過した時点で、必要に応じてルセンティス硝子体内注射を
受けた患者の2年目の平均注射回数は5.7回。
患者は1年目に改善した視力を維持しました。

対して、必要に応じてアバスチン硝子体内注射を受けた患者は、2年間の注射回数は
より多かったのに、視力は大きく低下してしまいました。

形態学的所見での評価でも、ルセンティス注射を受けた患者の方が有意に改善が
認められたそうです。


今回の実験は、滲出型加齢黄斑変性の患者に対しての未承認のアバスチン注射は、
ルセンティスに比べて、副作用のリスクが高いことを示す根拠を追加するものに
なりました。

この実験ではありませんが、メディケア・データベースに基づく大規模解析でも、
アバスチンはルセンティスより脳卒中や眼炎症発生リスクが高いと報告されました。

アバスチンはもともと目の薬として開発されたものでは無いから、ルセンティスと
くらべて安全性のリスクが高いことが明らかになっています。

ルセンティスの方は2006年の発売以来、世界中で100万人以上の治療実績があり、
安全性を示し続けているようです。


私は過去にアバスチンを注射していますが、この結果を見て、アバスチンを
何回も打つのは考えものかなという印象を持ちました。

現在、ルセンティスは加齢黄斑変性だけでなく、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、
病的近視での脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫でも健康保険で使えるようになりました。

安全を考えるとルセンティスが良いのでしょうが、薬代が高いのがネックです。
3割負担でも1回の注射で55,000円というのは経済的にきついですよね。
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