アバスチン注射のタイミング 

■右目のアバスチン注射の結果

近視性黄斑変性症の右目にアバスチンを注射して1週間後、
眼科に定期健診に行きました。

矯正視力を測定したところ、視力表で2段階アップの0.5でした。
眼圧検査、眼底検査の結果も良好で副作用も出ていません。

見え方の変化としては、目の前に見えるドーナツ型の影が薄くなって、
視界が明るくなりました。

しかし、強いゆがみはとれないので、あいかわらず右目だけで文字を
読むのは困難です。

右目へのアバスチン注射の効果を期待していたのですが、
出血やむくみを放置していた間に、黄斑部がダメージをうけて
回復できない状態になっていたようです。

経過観察していた1年半のつけは大きかったということでしょう。

アバスチンは新生血管を叩いて進行を止めるだけで、
残念ながら、一度痛んでしまった組織を回復させる効果はないのです。


■アバスチンをもっと早く使えば・・

もっと早くアバスチン治療のことを知っていたら・・
視力が落ちる前に新生血管を叩いて、出血やむくみを防いでいたら、
もう少しよい視力を回復できたのではないかと思うと、悔いが残ります。

眼科では、視力が0.5を下回るまでは経過観察をして積極的な治療を
行わないのが標準的な治療のようです。

視力を維持したいのに、ある程度悪くなるまで治療できないというのは
何だか皮肉です。

浅薄な一患者の考えでは、新生血管が悪さをする前にアバスチンを使って、
視力を維持するという選択肢があってもいいのではないかと
思うこともあります。


■アバスチン治療に慎重な理由

しかし、よく考えれば慎重になるのは仕方が無いことは理解できます。

アバスチンは新しい薬で、しかも目の治療用に作られた薬でもないので、
安全性の問題はついてまわります。

近視性の黄斑変性の場合、失明にいたることはまずありませんが、
万一、アバスチンで重大な副作用が出たら取り返しがつきません。

強度近視の人は網膜が引き伸ばされて薄いので、アバスチンで
悪い影響がないかどうかも心配です。

また、短期的に進行を止めたとしても、長期的にみたら
治療した場合としなかった場合で、どの程度差が出るかのデータも
ありません。

例えば10年後、どの程度の差があるのか?
果たして、未承認の薬を使う危険をおかすほどの意味があるのか?

このようなことを考えると、慎重になるのは当然だろうと思います。
責任の重い眼科医の立場であれば特に。


患者のほうは、気長に何年も待てないので、座して見えなくなるよりはと
新しい治療を試したくなるわけですが。。
10年後の自分の視力のことを考えるとブルーになります。
タグ:アバスチン
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アバスチンの小分け販売制限の計画 

アバスチンの情報を拾ったので、少し古いですが追加します。

調剤薬局向けのアバスチン販売を2008年1月から停止する計画に
遅れが出ているという記事がウォールストリートジャーナル(WSJ)に
載りました。

アバスチンを加齢黄斑変性症の治療薬として使うのを制限する計画の
一環のようです。


■調剤薬局向けアバスチン販売停止の経緯

アバスチンはガン治療薬として開発された薬ですが、加齢性黄班変性の
治療用薬として使われるようになったのはご存知の通りです。

眼内注射用に開発されたルセンティスに比べて値段が安いため、
多くの患者がアバスチンを使っていました。

アバスチンを目に注射するなら少量で良いので、アバスチンを小分けしたものが
調剤薬局で転売されていました。

この状況に対して、FDA(米国食品医薬品局)は製造元ジェネンテック社の
工場検査の際に、眼科用の基準に達していないアバスチンの廃棄処分を命じ、
調剤薬局にも警告状を送るというできごとがありました。

ジェネンテック社はアバスチンを調剤薬局に販売するのを止めようとしましたが、
眼科医から激しい反発を受けてしまいました。

そこで、調剤薬局へは売らないかわりに、医師が問屋に指示すれば調剤薬局や
病院の薬局にアバスチンを直接届けることはOKという妥協策をとることにしました。

この妥協策では、眼科医が指示するという形になるので、ジェネンテック社は
基準に達しない薬を眼科用に提供しているという批判を逃れることができます。

しかし、今度は医師の方が法令違反に問われる可能性があるため、
学会は法律家と相談することを薦めているということでした。

※アバスチン販売制限の経緯については、ジレッタントさんが「Medicine Blog」で
詳細な記事を書いておられます。
 →Avastin(アバスチン)は本当は激安だった!
 →Avastin(アバスチン)は来年も眼科で使える


■何か影響があるか?

かかりつけの眼科医はアバスチンをアメリカから個人輸入したと言っていたので、
診察日にコメントを聞いてみようと思ったのに、つい忘れてしまいました・・。

病院にアバスチンの在庫はたくさんあるそうなので、アバスチン不足で
注射ができなくなる心配はなさそうですが、医師の法的責任云々のあたりは、
日本にも何か影響が及ばないか気になるところです。
タグ:アバスチン
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アバスチン眼内注射の副作用 

アバスチンには特有の副作用があって、がん治療に使った場合は

・血圧が上がる
・胃や腸に穴が開く
・がん周辺などで出血しやすくなる

等の副作用が報告されています。

そんなアバスチンですが、目に注射する分にはごく少量なので、
大きな副作用はおきにくいとされています。

私はアバスチンを両目に1回づつ注射していますが、幸い今のところ
副作用らしきものは見られません。

しかし、副作用がゼロというわけではなく、しかも目以外に影響が出た
ケースがあったことを知りました。

大阪大学医学部眼科のサイトで、アバスチン眼内注射の副作用について
書かれた文章を見つけたのです。

同病院のサイトには、薬の説明、どんな眼病に使っているか、
副作用(合併症)についての説明がわかりやすく書いてありました。

抗VEGF抗体:ビバシズマブ(アヴァスチン)の難治性眼疾患への適応外使用

大阪大学医学部付属病院の眼科では、2005年より黄斑浮腫や眼内新生血管を伴う
目の病気の治療にアバスチンを使ってきたそうです。

治療後に見られた合併症として、目に関するものと、目以外に出た
全身症状とがありました。

<目に関するもの>
・白目にゼリー状のものができた(結膜浮腫)
・網膜色素上皮裂孔
・視力が急激に低下した

<目以外の全身の臓器に起きた合併症>
・血圧が上がった
・不正性器出血(1ヶ月以上)
・無月経(2ヶ月以上)

気になったのは、若い女性患者の中に、不正性器出血や無月経が
見られたことです。

そのため、同病院では若い女性にアバスチン注射を施行するときには
十分な留意が必要としています。

妊婦さんは当然ですが、妊娠の可能性のある女性は要注意ですね。

興味のある方は、同病院のページを読んでみて下さい。

抗VEGF抗体:ビバシズマブ(アヴァスチン)の難治性眼疾患への適応外使用
タグ:アバスチン
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