眼底出血とアドナ 

アバスチン注射から2年半後、久しぶりに大きい眼底出血をしてしまった。
出血量が多いというより場所が悪かったというべきか・・。

ある日視界の中央よりちょっと上に黒い影ができて、そのうち歪みが
大きくなってきて「あれ?」

眼科で診察してもらったところ、小さい出血があった。
断層写真でみると「網膜の層が分離しているみたいに見える」と。
網膜剥離ではなくて、網膜の層と層の間に水がたまっているような
イメージらしい。
出血で腫れたか、水分が漏れたのか。

出血してもどうしようも無いので血管を丈夫にする薬「アドナ」を
もらって帰ってきた。

アドナは血管壁を丈夫にして出血をおさえる薬で、止血剤と言えば
アドナというぐらい有名。

adona.jpg

最初の出血でもアドナを処方されたのを思い出した。
アドナは安全性が高くまず副作用がない。
そのかわり効果もあまり期待できないというマイルドなお薬。

オレンジ色の薬を見ながら、またふりだしに戻ったような無力感に
襲われる。
せっかくアバスチンを使っても対処療法でしかなく、何年かしたら
また再発するのかと思うと気力が萎える。

少しぐらいの眼底出血には慣れて、出血する場所が黄斑部から
ずれてさえいればいいのにと思う。

出血した方の目は視界の中央が比較的無事だったので、字を読む時に
こちらの目を頼りにしていたから日常生活にもやや支障が出ている。

仕事で作る書類の数字が見えづらく、間違えないように何度も確認しないと
不安で頭が痛くなる。
何ヶ月かしたら慣れるとわかっているが、見えにくいのは不便なものだ。

自分だけに見える目の前のグレーの影は日々形を変え、小さな影の様子に
一喜一憂する日々を再び過ごしている。

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ドイツ製の人工眼 

ドイツで開発された「人工眼」で失明患者が字が読めるようになるかもしれません。

この「人工眼」をつけた3人の被験者は、物の形を認識することができるようになり、そのうちの1人は、時計を読んだり、灰色のグラデーションを見分けることもできたそうです。
また、大きな文字であればきちんと単語として読むことができたとも書いてあります。

この人工の眼は「網膜下埋め込み型」で、網膜の下に人工器官を埋め込むタイプで、
具体的には、1500個の光センサーで構成されたマイクロチップを埋め込みます。
水晶体から入ってきた光をチップの光センサーでとらえ、視神経を通じて脳に送られると
38×40ピクセルの極小の映像となるそうです。

38×40ピクセルってこのくらいの大きさです。
実物大
思ったより小さいですね。

時計の文字盤や大きな文字を読むことができたというところに注目しました。
自分にとって、文字のある世界と無い世界は大きく違います。
物の形が認識でき、字を少しでも読むことができたら、生活が飛躍的に変わるでしょう。

時刻などの情報を得られるだけでなく、楽しみも増えます。
一つ一つの文字は脳内で意味付けされ、自分の経験や想像力によって様々なイメージを見せてくれます。
人間のもつ五官のうち、視覚器官からの知覚の割合が83%と言われているので
目から入ってくる情報量が増えれば影響は大きいでしょう。

今回の人工眼は、網膜色素変性のように網膜の光を感じる機能が失われる病気を想定しています。
緑内障などの視神経がダメになる病気には使えないようですね。
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加齢性黄斑変性患者にiPS細胞の臨床研究開始 

iPS細胞の臨床研究がいよいよ日本で始まるようです。
iPS細胞で作った網膜色素上皮細胞を加齢黄斑変性患者らに移植する臨床研究を2013年度にも開始というニュースです。
◆神戸新聞「 iPS細胞、神戸で臨床研究 2013年度にも」

今回の臨床研究は、5人程度の患者に対して、患者自身のiPS細胞から作製した網膜色素上皮細胞を移植し、有効性や安全性などを確認するものです。
3年後には一般の治療として承認を受けるための治験を始めたいとしています。


■網膜色素上皮細胞のはたらき
網膜色素上皮細胞は、視細胞を維持したり栄養を送るという働きをしています。
網膜色素上皮細胞は光を受け取る細胞ではないため、移植しても見えるようになるというわけではありません。
しかし網膜色素上皮細胞が障害される病気の進行を止めたり遅らせる効果があると考えられています。


■加齢黄斑変性と網膜色素上皮細胞の関係
黄斑変性は網膜の黄斑部が傷む病気なのに、網膜色素上皮細胞を移植するのはなぜでしょう?
黄斑部が傷む原因の一つとして、新生血管ができることがあります。
新生血管のできる課程は現在次のように考えられています。
網膜細胞が新陳代謝を繰り返しているうちに老廃物が出る。
 ↓
老廃物は、通常は網膜と脈絡膜の間にある網膜色素上皮内で消化されて無くなるが、網膜色素上皮の働きが低下すると、老廃物がたまる。
 ↓
本来そこにあってはいけない老廃物によって慢性の弱い炎症反応が続く。
 ↓
炎症を鎮めるために化学伝達物質が発生。
 ↓
化学伝達物質は炎症を治そうとして血管内皮増殖因子(VEGF)を放出。
 ↓
脈絡膜から新生血管が生えてくる。
 ↓
新生血管が網膜色素上皮に侵入してくると、増殖して液漏れが激しくなり、
黄斑の機能が低下していく。

(目と健康シリーズno.7[特集:加齢黄斑変性]より)


網膜色素上皮細胞が元気であれば、老廃物もたまらず、血管もできにくいという理屈のようですね。
この方法なら、萎縮型(ドライタイプ)の黄斑変性患者も病気の進行を止める効果が期待できるかもしれません。

PDT(光線力学的療法)やTTT(経瞳孔温熱療法)は、できてしまった血管を焼く方法、
アバスチンやルセンティスは 血管内皮増殖因子(VEGF)を薬で抑えて新生血管の発育を抑制する方法でした。
網膜色素上皮細胞移植は、血管ができる原因になる老廃物の発生自体を抑える方法でしょうか。
次第に原因を遡って断つ方法に変化しているように見えますね。

この方法がうまくいったとしても、残念ながらすでに痛んでしまった視細胞を
もとに戻すことはまだできません。

理化学研究所 視覚再生グループのサイト
を見ると、網膜色素上皮細胞移植の後には、視細胞を移植する方法を進めたいとしています。
網膜再生治療が完成するには「数十年」かかるそうで、まだまだ道程は遠いですが
「千里の道も一歩から」です。
事業仕分けで大変かと思いますが、理研の皆様には期待しています。
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