網膜の再生治療に期待 

ES細胞を使って網膜の視細胞を培養する技術が開発されたと
今朝のニュースで報じていました。

網膜の再生治療への応用を期待させるこの培養技術を開発したのは
理研 発生・再生科学総合研究センターと京大のチームで、
血清や胎児網膜などを必要としない純粋培養は世界初だそうです。

■記事のポイント

・これまで1%未満だった培養効率を20〜30%にアップした。
・従来の方法で使っていた胎児網膜や血清などの倫理性や安全性に
 問題が残る材料は使わない。
・移植しても感染などの恐れが少ない。
・試験管内で大量に作れる。
・実験の過程で、網膜へ栄養を送る網膜色素上皮細胞も作った。


■どんな病気に使えそうか?

色素上皮細胞や視細胞の障害でものが見えなくなる病気が対象で、
具体的には網膜色素変性、加齢黄斑変性症の治療に応用できそうだと
いうことです。

培養した視細胞を患者に移植して、失われた視力を回復させる
「再生医療」の実現に一歩近づいたとしています。


■iPS細胞にも応用

さらに、この技術を、京大が開発したiPS細胞にも応用する研究を進め、
安全性の問題などをクリアして、10年以内に臨床応用の試験を開始したいと
しています。

ES細胞もiPS細胞もいろいろな細胞に分化できる「万能細胞」として
話題になっています。

違うのは作り方で、ES細胞は受精卵から作り、iPS細胞は大人の皮膚の細胞に
遺伝子を加えて作ります。
ES細胞は倫理的な問題が、iPS細胞は安全性の問題が未解決です。

ES細胞は他人の細胞なので拒絶反応の心配があります。
iPS細胞は自分の細胞を使えば拒絶反応を抑えられますが、遺伝性の病気の
治療には使いにくい等の特性があります。


■移植の効果は?

今回の発表で「臨床応用試験を10年以内が目標」と言っていますが
細胞の移植でどのぐらい見えるようになるのでしょう?

以前アメリカで行われた胎児網膜を移植したケースでは、矯正視力0.1程度だったと
いいますから、ものすごくよく見えるようになるわけではなさそうです。

良い視力というのは、整然と並んだ視細胞と複雑な神経ネットワークによって
構成された、まさに「神の御業」。
まだまだ次世代の研究を待つほかないのでしょう。

自分が生きている間に、研究の恩恵が受けられることを期待して
今はできる限り病気の進行を抑えるよう努力したいと思います。

タグ:再生治療
近視は眼病のもと -目次 | TrackBack(0) | 黄斑変性

この記事へのトラックバック


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。