黄斑変性とアバスチン注射のまとめ 

アバスチンとは

「アバスチン (Avastin)」は商品名で、一般名は「ベバシズマブ(Bevacizumab)」です。
抗がん剤として作られ、がん組織に栄養や酸素を与える血管網の成長を
妨げる薬です。
アバスチンの写真

アバスチンが標的とするのは、血管内皮増殖因子(VEGF)という
タンパク質です。

VEGFは血管の細胞を増殖させる働きを持っているので、VEGFが
分泌された所には新しい血管ができたり血管が成長して伸びて来たりします。
これを「血管新生」といいます。

アバスチンは、血管新生を抑えることでガン細胞が栄養補給できないようにして、
ガンの増殖や転移を抑えます。(「兵糧攻め」などといわれる)

アバスチンはスイスのロシュ社と子会社の米国ジェネンテック社に
よって製造・販売されています。
日本では中外製薬が2007年4月にガン治療薬として厚生労働省から製造
販売の承認を受けました。


■眼科領域でのアバスチン使用

アバスチンはガン以外に、眼科領域で加齢性黄斑変性や糖尿病性
網膜症の治療薬としても期待されています。

アバスチンを目の硝子体内に注射することで、新生血管の発育を
阻げたり、黄斑浮腫を改善すると期待されています。

日本では現在保険の適応はありません。
大学病院など一部の病院で、適応外使用という形でアバスチン注射を
行う病院があります。
→→アバスチン治療が受けられる眼科(病院)リスト

注射は日帰りでできます。
費用は、管理人の場合3割負担で、検査と注射で約7000円でした。
注射後は眼帯をして、数日間は目薬をつけます。

■アバスチン硝子体注射体験レポート

近視性の新生血管黄斑症の管理人が左右各1回注射した経過を
書いています。


■アバスチン硝子体内注射の副作用・合併症

アバスチンを目に注射する場合、ごく少量なので大きな副作用は
おきにくいとされていますが全くゼロではないようです。

下の記事で、アバスチンを黄斑浮腫や眼内新生血管治療に使ってきた
大阪大学医学部付属病院眼科の合併症の報告記事を紹介しています。
→→アバスチン眼内注射の副作用


■アバスチンの姉妹薬ルセンティス

アバスチンをもとにルセンティス(一般名:ラニビズマブ)という薬が作られました。
アバスチンはガンの薬ですが、ルセンティスは目に注射することを前提に開発され、
加齢性黄斑変性の治療薬として世界50ヵ国で承認されています。
(日本では2007年10月に申請、まだ承認されていない)
(2009年1月、ノバルティス ファーマ社が製造販売承認を取得しました)
2014年現在、ルセンティスは次の症状の治療について健康保険が使えます。
1回の治療費は、3割負担で55,000円位のようです。
  1. 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症
  2. 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
  3. 病的近視での脈絡膜新生血管
  4. 糖尿病黄斑浮腫


【関連記事】


■アバスチン VS ルセンティス
加齢黄斑変性症患者に対しアバスチンとルセンティスの効果を比較する2年間の
大規模試験がアメリカの国立眼病研究所(NEI)で実施されました。
発表によると、安全性でも効果でもルセンティスの方に軍配があがったようです。




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